2017年 新年度に寄せて ~事務局便り~
1989年の設立より永きに渡り、協会活動にご尽力頂いておりました、前副会長の若菜宣男様が、3月6日月曜日に永眠されました。慎んで故人のご冥福をお祈りいたします。
ようやく、春めいて参りましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。昨年度も、多くご支援賜りまして、誠にありがとうございました。
さて、私共、新調理システム推進協会事務局では、昨年の夏より、株式会社日本能率協会総合研究所様のもと、国家事業であります農林水産省「外食・中食サービス産業生産性向上、おもてなし満足度向上シンポジウム」を、仙台、札幌、名古屋、福岡、大阪、東京ビッグサイトと、全国6カ所で企画開催させて頂きました。大変、名誉な仕事を仰せつかる事が出来、心より感謝申し上げる次第ですが、半年間、毎月のシンポジウムの開催に忙殺され、誠に早い一年で御座いました。
現代の人手不足とは、国内総人口の減少よりも、労働生産人口(16歳~64歳)の減少率が高いことより超人手不足に至っているのが現状です。本来人手不足になると、必然的に人件費は高騰し従事者の給料は上がり、結果、市場自体は好転のチャンスを得ます。但し、人手不足の解決には、生産性の向上が必須で、それは企業の成長に繋がります。
1970年台の高度成長期も、1980年台のバブル景気も、すべて人手不足に対する、生産性向上の投資で、我が国の経済は大きく成長しました。昨年9月ニューヨークにて、安倍首相が「日本の人口減は重荷でなくボーナスだ」と話された由縁です。因みに、バブル景気時代に、調理現場の生産性向上・品質向上、衛生管理向上で誕生したのが「リテールHACCPと新調理システムの概念」です。
現代は、第四次産業革命期と云われ、人間の動作に寄り添う技術革新により生産性を向上させる時代です。ICTの活用から、厨房機器でいうと、コンベア式のオーブンや、オートリフト式フライヤー・茹で麺機、調理時間の自動補正機能搭載機器、自動搬送機の様に、元は工業製品として活用されていた自動化機器を、外食・中食サービス産業で採用し、生産性を高める必要性があります。
そこでは、私共が推進する「リテールHACCPと新調理システムの概念」が、大きく牽引してくれます。人手不足を単純に、外国人等の労働者に頼るのでなく、生産性向上の技術革新が、企業体力を強靭にする時代の到来です。
また、新調理システムと共に、永年推奨して参りましリテールレベルHACCPの概念も、これから法制化される「HACCP義務化」への対応に大きく活かせますので、改めまして、一般社団法人新調理システム推進協会にご期待くださいませ。
本年も、ご支援ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。
事務局長
西 耕平