2015年 新年度に寄せて ~事務局便り~
外食産業界が新たな時代を迎えています。少子高齢化になり、年々、外食市場規模が縮小するなか、中食市場が拡大牽引し、食卓のミールソリューションの志向もかなり定着し、外食店舗が従来の安価重視から、満足度を求めた高品質の志向へと移行し、1980年代から定着してきたファミリーレストランの業態に、郊外型カフェが新しい業態の柱として確立しはじめてもいます。
また、一方では消費者は食の安全安心を求め、永年親しんで来た外食企業のブランドや歴史に傾倒した信頼に頼らず、消費者の眼で求めた安全安心への転換も始まっています。この様な時代では、外食企業はじめ、医療福祉施設のようにフードサービスに従事する法人では、この時代の転換期にやるべき事を、見逃しては企業の存続は安心できません。
具体的には、生産労働人口が激減するなか、接客の時間を減らさずに生産できる厨房システムと、高齢者を中心とした消費者が安心して楽しめる食事サービスの実践。そして、衛生管理体制を消費者に向けガラス張りにしたリテールレベルHACCPの実践が不可欠です。
一昔前の様に、一握りの経験者が集まり、投資効果や生産性・品質管理向上を求めた事業計画では不十分となり、これからは衛生管理体制構築の国際的手法である、HACCP導入の為の12手順7原則の手法を経営者の視点で、横断的な組織環境のなか事業計画を推進する必要があります。
そこで、今春、月刊HACCP誌の鶏卵肉情報センター社の、岩本常務のお力添えを頂戴し新刊「新調理システムの概念とリテールHACCP完全解説」を発行しました。世界でも、衛生管理システムと、調理システムを計数管理で関連付けた専門書は初めてではと思います。
本誌が、協会活動をとおし、これからの外食産業界の発展の為に、我が国の調理システム構築のバイブルとして活かされることを心より祈念します。
事務局長
西 耕平