クックチルシステム
クックチルシステムとは
クックチルシステムとは、通常の方法で調理した料理を急速冷却し、細菌の繁殖しにくいチルド(0~3℃の低温)状態で保存し、必要時に再加熱して提供するシステムで料理の保存法の一種である。
専用の急速冷却機を使って料理の中心温度を細菌の繁殖しにくい温度まで短時間で下げる事で、食中毒原因菌を含めた微生物の増殖を抑制し長時間の保存が可能となる。
クックフリーズの場合、工程はクックチルシステムのブラストチラー方式と同じだが、冷却と保存の温度を食品の芯温ベースで18℃とする。
クックチルシステムは、日本では、事業所や病院などの給食施設において、給食運営の効率化とメニューの多様化など食事サービスの向上を目的に、クックサーブ方式(従来調理)とクックチル方式を併用して行われている。また、セントラルキッチンにて大量調理したものをサテライトキッチンに配送し、各施設で再加熱する方式なども行われている。最近ではニュークックチルが広く広まり始めている。
クックチルシステムの導入効果
施設においてクックチルシステムを導入する目的は、計画生産による作業の効率化と標準化などが挙げられる。調理作業は、一般的に集中的に労力を必要とするピークタイムと比較的作業密度の低いアイドルタイムがある。作業密度の低い時間帯に、加熱に時間のかかる献立や、朝食等のメニューを計画生産する事で、作業の繁閑を標準化できる事がクックチルシステムの最大のメリットである。
クックチルシステムの工程にはHACCPによる衛生管理が不可欠であり、温度と時間の厳重な管理を必要とするクックチルの生産工程とHACCPとは非常に相性が良い。
各工程を標準化し、マニュアル化する事により、衛生管理及び品質管理が容易になる。
(図)クックチルシステムの基本工程