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新調理システムについて

新調理システム

新調理システムとは

新調理システムの定義

「新調理システム」とは、リテイルレベルHACCP概念のもと、調理科学の視点により美味しさに計数管理を採用したレシピと、料理の原価率維持管理を可能とした、料飲材料と調理作業全般に関わる、高度な調理の体系化を意味する。

真空調理法、クックチルシステム、凍結含浸法など新しい調理法だけではなく、従来から伝わる調理法(クックサーブ)に、外部加工品活用という複数の調理法・保存法を用いて、施設の特性に合わせた最適なシステムとして、独自に組み立て運用する仕組み、それが「新調理システム」である。

新調理システム導入の意義

フードビジネス業界における新調理システムの関係は、ビジネスを確立する為の一手段である。 調理の科学的視点による計数管理により料理レシピの再現性を向上させるなか、古くより飲食業界において、経験則や感覚的に依存してきた、料理の品質・サービス・食品衛生を精査し極力計数により管理する。

そのことによりフードサービス・ビジネス成功の三原則と言われている「QSC」(クォリティー・サービス・クレンリネス)を向上させるところにある。 合わせて、食材費・人件費・水道光熱費もコントロールを可能とするので、原価率維持管理に大きく貢献する。

新調理システムを構成する複数の調理・保存法 

新調理システム=真空調理法・クックチルシステムと、間違えて捉えられた時代があった。しかし、本来、新調理システムには従来の調理手法のクックサーブが含まれる。

真空調理、クックチル(クックフローズン)、ニュークックチル、凍結含浸法の様に、後に誕生した新しい調理法や、さらにはアウトソーシングを加えた複数の手法を、それぞれの厨房が抱える条件に最も適したシステムとして運用する仕組み、それが新調理システムである。

新調理システムを構成する複数の調理・保存法
(図)新調理システムを構成する複数の調理・保存法

クックサーブ

当日、食事時間ごとにその都度調理を行う従来の調理方式で、温菜、冷菜を問わず、調理後すぐに提供する手法をいうが、新調理システムでのクックサーブの調理レシピは、感覚的なものだけではなく、計数でコントロールできる事が基準である。

メニューとしては、蒸す、湯がく、炊く、炒める、揚げる、焼く、汁モノを作る等、比較的短時間で調理できて、必要に応じ調理することで「出来たて」と呼称されるように、品質管理上もクックサーブが好ましい調理工程である。また、アウトソーシングされた加工済の食品を、最終調理して提供することもクックサーブに含まれる。

クックチルシステム・クックフリーズ

クックチルシステムとは、計画的に加熱調理した食材を急速冷却後に、チルド(0~3℃)状態で一定期間保存し、喫食時間に合せ再加熱を行い盛り付け料理を提供するシステムで、大量調理の安全性を、HACCP概念により体系化された調理の生産システムである。

クックフリーズの場合、工程はクックチルシステムのブラストチラー方式と同じだが、冷却と保存の温度を、食材の芯温ベースで-18℃以下とする。

時間的にも当日調理が困難な献立(シチュー、ソース、煮込み料理等)や複雑な調理工程を必要とし、一定の品質で大量の料理を均一に提供する事が困難な場合等に有効である。

また、機内食や、医療・高齢者施設において導入の進む、調理後冷却された食品を、高度な衛生環境のなか食器に盛り付け、その後、再加熱専用のキャビネットやカートに収納し、必要に応じてタイマー制御により、冷蔵、再加熱、温蔵と、料理を計画的に再加熱する「ニュークック・チルシステム」がある。

真空調理法

新調理システム

真空調理法とは、一例をあげると素材を下拵えした後に、素材を調味液と一緒に真空包装し、そのまま温度と時間管理が正確に行える加熱機器にて低温加熱する調理法である。低温加熱の温度帯は芯温58℃~95℃で、加熱には湯槽内の温度にムラのない真空調理専用湯煎器(スービークッカー)や、低温スチームモードを搭載した、スチームコンベクションオーブンを使用する。

また、真空調理法をベースに高齢者の介護食へ普及が進んでいる、凍結し解凍した素材に酵素を添加し真空包装し調理する凍結含浸法等もある。

アウトソーシング(外部加工品活用)

食品メーカーや、外部の食品製造者が加工した調理済食材の活用をいう。 製造業者が製造する商品群から、自社に合った食材を選んで購入する場合と、自社ブランドで仕様書発注したPB(プライベートブランド)を生産委託し、それを購入して活用する場合とがある。

新調理システムを導入するには、美味しさの再現性を第一にし、業種業態、施設の規模や設備、食事の内容、提供方法などを精査し、衛生管理を含めた品質管理の上に、原価率維持管理を念頭に、諸条件の検討を含め、施設の運営理念に沿ったシステムの構築が重要である点に留意しなければならない。

新調理システムの構成

(図)基本となる新調理システムの構成図

新調理システム導入のメリット

  • 経済性・作業効率
  • 品質管理、サービス向上
  • 衛生管理・安全性

新調理システムとは